
岡山県産のインディゴ染め刺し子生地を使用した、モダンジャパニーズ独特のデザインが特徴の「刺し子シリーズ」。
このシリーズの醍醐味は、なんといっても経年使用によるエイジングを楽しむことでしょう。世界に一つの自分だけのバッグを育てると同時に愛着も増していく、そんな楽しみ方が出来るバッグです。
今回は同シリーズの中から、前面にある2つのビッグポケットが特徴の人気アイテム「INOU」のエイジングを "未使用品" と "20ヵ月使用品" で比較してみたいと思います。
■Penbagsのインディゴ染め刺し子生地
この生地は、大きく分けて "糸染め" と "織り" の二つの工程により仕上げられています。"糸" は創業から100年以上の歴史を持つ岡山と広島の県境にある福山市の染物屋で染められ、"織り" は江戸時代より厚地藍染織物の産地で知られる岡山県井原市の機屋で織られた最高品質の生地です。
今や世界中のファッションデザイナーにも注目されるデニムの名産地で作られた最高品質の生地だからこそ、その高い耐久性と共にエイジングを楽しむことが出来るのです。
■エイジングのメカニズム
インディゴは染料としての浸透力や吸着力があまり強くない為、糸の繊維内部まで染めることが出来ず、摩擦等による退色が発生しやすい特徴を持っています。これがジーンズ等でよく言われるエイジング、すなわち「色落ち」です。
確かな染色技術があってこそ美しくエイジングが進みます。その為、染めと糸の質が確かな生地が必用なのです。
■未使用品 vs 20ヵ月使用後 外観比較
先ずは未使用品(写真左)と20ヵ月使用品(写真右)を並べてみました。
やはり20ヵ月使用品の方が全体的に色落ちが進んでいるのが分かります。この20ヵ月使用品は会社員の女性が週5日通勤に使用していたもので、約400日間使用した状態となります。尚、この間一度も洗濯は行っていません。
写真下、バッグの手持ちハンドル部は一番摩擦が発生する箇所になるため、色落ちが進んでいます。また、バッグのコーナー箇所や末端箇所はしっかりと「アタリ(擦れ後)」がでており、未使用品には無い立体感があります。
■20ヵ月使用品を洗濯してみる
20ヵ月使用品は使用期間一度も洗っていなかったので、洗いをかけて汚れを落としてみます。
今回はあえて手間をかけた洗い方をせず、通常のジーンズ同様にバッグをネットに入れて洗濯機で洗います。柔軟剤は使用せず、蛍光増白剤や漂白剤不使用の洗剤を使い、おしゃれ着洗い(ソフト洗い)を選択します。洗い上がり後は陰干しで乾燥します。
*脱色による色移りが発生する恐れがあるため、バッグ単体で洗濯します。
下は洗濯後の写真です。汚れが落ちた分、少し色落ち部分が白に近い色味になりました。また、洗う前に比べて生地にハリが戻っています。
未使用品に加え、同じ生地に洗い加工をかけた "INOU 洗い" とも比較してみると、ちょうど3つの間の絶妙な色味になっているのが分かります。
(写真左から、20ヶ月使用品→未使用品→洗い加工品)
■洗濯前と洗濯後の比較
20ヶ月使用品の洗濯前と後で比較してみます。全体的に汚れが綺麗になったので少し黄ばみがなくなり白くなっています。
アタリも洗濯前に比べて、よりインディゴ色と色落ち箇所のコントラストが出ており、美しい立体感が出ています。
人により好みは分かれますが、ジーンズ同様に時々洗ってあげる事で生地の劣化を防ぎ、エイジングと共に長くご愛用いただけます。
■デニムコーデとも相性抜群
インディゴ染め刺し子のバッグは、デニムと合わせても自然に馴染みます。また、コントラストを魅せるという意味でも白ベースのコディネートの差し色としても映えます。
■使うほどにオリジナリティが増していく、世界に一つだけのバッグ
使うほどに「いたむ」のではなく「味が出る」。これほど使う事が楽しみになるバッグはそう多く無いのではないでしょうか。同じバッグはあっても、同じエイジングをしているバッグは他にはなく、自分が育てる世界に一つだけのバッグといえます。エイジングを楽しむという事は、経年変化に耐えうる丈夫な生地であることが大前提で、ここに品質の確かな生地だけを使用する理由があります。
Penbagsでは、長く愛されるものを生み出す「ものづくり」にこだわりを持っています。理由もなく、ただ「上質なものを使えばいい」ではなく、必要だから良いものを使う。今回ご紹介した刺し子生地は、所有者に長く使い続ける楽しみを与えてくれる、本当の意味での上質な生地だと言えます。
※今回ご紹介したインディゴ染め刺し子生地を使用して造られたバッグの全ラインナップは こちら からご覧いただけます。